2016.9.13更新

少女から大人へと変わりゆく女性の姿を小宮有紗が大胆に演じる!

『夢二~ 愛のとばしり』塚口サンサン劇場

 初日上映・舞台挨拶レポート

夢二の最愛の女性、彦乃を演じる小宮有紗と宮野ケイジ監督

 2016年9月10日、塚口サンサン劇場にて「夢二~愛のとばしり」の舞台挨拶が実施された。7月30日を皮切りに全国で順次公開されている話題作の同劇場初日であり、さらに舞台挨拶後には握手会も開催されるとあって会場は満員!その目の前のスクリーンに流されたのは、大正ロマンの象徴ともいえる美人画家竹久夢二と、彼に愛される2人の女性との濃厚で切ない愛憎劇だった。

 竹久夢二役は駿河太郎。才能にあふれつつも屈折を抱え、繊細かつ小心でありながら大胆ともいえる行動もしてしまう芸術家を生々しく演じている。その妻たまきに黒谷友香、そして夢二の最愛の女性ともいえる彦乃に小宮有紗。特に、この舞台挨拶に登壇した小宮有紗の美しさが印象的だ。袴を履いた、いわゆる〝はいからさん〟スタイルで初登場した場面は、思わず息をのむほどの可憐さ。大正ロマンと聞いて思い浮かぶビジュアルそのものだ。それ以降、衣装を変えて登場するたびに、その愛らしさに引き込まれるようだった。

 スクリーンを観ながらも、どうしてこんなに和装が似合うのだろうと考えた。凛とした顔立ちはもちろんだが、なによりその額の美しさによるものではないか。とにかく、芸術的ともいえる丸みの額が美しい。そのために、額を出す髪形が多い和装がすさまじくしっくりくるのだ。正直なところ、今作での彦乃(小宮有紗)和装コレクション的な写真集を出していただきたいくらいだ。

 そして、そんな透明感あふれる彼女が見せる大胆な姿。夢二と彦乃が愛を交わし身体を重ねる場面が、想像以上に大胆…むしろ過激といってもいいくらいなのだ。画面は美しく作りこまれているが、今までの小宮有紗からは想像もつかないほど衝撃的だ。現在は声優としても活躍している小宮だが、女優としての新しい一歩を踏み出したような印象である。デビュー作である『特命戦隊ゴーバスターズ』から彼女を見続けている人間にとっては、嬉しいような淋しいような気分であったかもしれない。正直にいうと、そういう気分だった。

 その場面の数々はスクリーンで実際に確認していただきたいところだ。ここからは、この日行われた舞台挨拶のレポートをご覧いただきたい。

監督「竹久夢二を〝夢二〟に仕上げてくれたのは小宮さん」

 最初に「今日は小宮さんにたくさんしゃべってもらいます!」と言い放ち会場を沸かせた宮野監督。「えっ?わたしがですか?」とあせる小宮の姿に、さらに会場が沸く。「一緒にですよ!一緒に!」と言われ「あー、了解了解」と軽く答える監督の姿にチームワークのよさが見えたような垣間見えた。

 関西には何度も仕事で来ているが、プライベートでまわったことがないので近隣のおいしいものを食べてみたい!という小宮。食べてみたいものは?という問いに「串カツをお店で食べてみたいです。こう(ソースを)つけてみたい」とのこと。この後きちんと串カツを食べられたかどうか、多少気になるところ! 

 撮影時のエピソードをひとつ、との質問に、小宮は本作で彼女をより輝かせている和装についてコメントした。

 

「お着物を着てお芝居をするということがはじめてだったので、待っている間どうしたらいいかわからなくて(笑)お着物が着崩れちゃいけないっていうのが不安で、座ってていいのか立ってていいのかわからなかったです。お手洗いとかも、着物を着ちゃったら行けないのかなって思ったりして。着物は成人式で着たくらいしかなかったので…。スタイリストさんにいろいろ教えていただきました」

 スクリーンに映った大正ロマンを具現化したかのような和装の美しさの裏には、そんな苦労があったのだ。それなのに、誰もが思い描く和装の美少女像ともいえるほどの可憐な姿、立ち振る舞いを見せてくれていたのだから、正直なところ驚くばかりだ。

 少女から大人になり、母性までも備えていく彦乃を演じた思いについて。

「今回は夢二、たまき、彦乃っていう三角関係があるんですけど、彦乃には少女感だったり純粋さだったり透明感という、素直な10代の女の子のイメージが必要だと思っていました。どうしたら、そういう純粋さが出るのかなって…すごい悩みました。でも、その中に夢二を包み込むような女性らしさや母性をださなきゃいけない必要はあったので、不安もありましたし。そういう役柄を演じたことがなかったので、どうしたらいいのかな、って」

 本人はそう言うものの、スクリーンで描かれた彦乃は、これ以上ないほどに純粋で透明感があり、​小宮はその役を演じきっていたように思えた。さらには、心も身体も少女から大人へと開花していく彦乃の成長過程を大胆なまでに見せてくれていた。その姿は、監督からはどうように見えたのだろうか?

「初めてお会いしたときに…こうやってきちんとした感じ(の格好)じゃなかったんですが…。すごく男っぽかったんですよ。打ち合わせで話してると、目に力があるし、考え方もしっかりしてらっしゃるし」

 コメントの冒頭から会場の笑いを取る監督。「しゃべるのは小宮さん!」と言いつつも、よいところで場を沸かせてくれる。もしくは、これも〝小宮有紗のいろんなことが知りたい〟という思いで集まったファンへのサービスか。

「少女から大人になり、母性を兼ね備えて愛を知り死んでいくという…。夢二と出会って4、5年くらいの短い期間でみせた大きな感情の波や成長の度合いを、画面でも表現でも見せていかないといけなかった。それに、今回は夢二と愛し合うという高いハードルがあったんです」

 2人がが愛し合う姿は、破瓜の場面から始まり、彦乃の女性としての成熟に比例するように濃厚な描写になっていった。

「そのハードルもしっかり越えていただけたし、同時にこちらの期待を大きく超えていただいたな、と。駿河太郎演じる竹久夢二を〝夢二〟に仕上げてくれたのは小宮さんだと思っております。本当に感謝しています。素晴らしかったです」

 絶賛のコメントに、小宮も「ありがとうございます」と嬉しそうに照れ笑いを見せた。その2人の様子に、観客も思わずうなづきながら感じ入ってしまう。そこに、「あ、シーンとした」とツッコみ笑いをとる監督。あなたがいいことを言ってくれたからです!拍手が巻き起こった。 

そこでMCから、「始まったばかりなんですがそろそろ時間で…」という言葉が。「え?え?終わり?」と焦る監督。さきほどのキリッとしたコメントとのギャップに、また会場内から笑いと拍手が起こる。最後に、2人からそれぞれコメントが出された。

 

小宮

「ここで話しきれなかった部分とか、みなさん映画を観てくださって感じていただけたこともあると思うので、ぜひこの後の握手会でお話ししましょう!本日は本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします」

宮野監督

「しゃべっていいんですか?(会場爆笑)この映画は、大きく宣伝できる映画ではなくて、こうして劇場に足を運んでくださった皆さんの口コミが支えです。今日は、お帰りになって、いろいろ…書き込みを(会場爆笑)ぜひぜひ、よろしくお願いいたします!ありがとうございました!」

 この後、ロビーではパンフレット購入者へのサイン・握手会が行われた。観客は思い思いに映画の感想を伝え、また目の前でみる小宮の姿にときめいていた。会場を後にする人の表情はいずれも笑顔で、作品とイベントへの満足感に溢れていた。

映画『夢二~愛のとばしり』は塚口サンサン劇場にて9月16日まで公開

以降は全国映画館で随時公開予定。スケジュールは公式HPを参照ください。
◇公式HPはこちら

​取材/テキスト/写真 前川元

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